ワークフローが使いにくい原因とは?業務プロセスと一体化する「プロセス連動型ワークフロー」という解決策

「申請のタイミングがよく分からない」「業務の流れのなかで、ワークフローをどう使えばよいのか迷う」
利用部門からこのような声が上がる背景には、業務の流れが個人の頭の中にあり「どのタイミングで・何の申請を行うべきか」が客観的に定義されていないという問題があります。
その結果、担当者ごとに申請の判断やタイミングがばらつき、申請の遅れや滞留、差戻しが頻発してしまいます。
さらに、「今どこで承認が止まっているのか」という進捗すら見えないブラックボックス状態にも陥りがちです。この問題の原因は、業務プロセスとワークフローが十分に紐づいていないことにあります。

本記事では、業務の流れと申請を一体で再設計し、ワークフローが現場に定着し、機能し続ける仕組みに変えるためのアプローチを解説します。

分断を生む構造問題─プロセスとワークフローが噛み合わない理由

業務の滞留や差戻し、進捗不明といった課題を解決するには、ワークフローの使い勝手だけではなく、業務プロセスに即した設計やシステムのつながり、運用ルールといった複数の観点から、業務プロセスとの分断の要因を捉え直す必要があります。

・設計レベル


業務上の申請・承認を担うワークフローが、現場の実際の業務プロセスに沿って設計されていないケースがあります。これにより「実業務のどのタイミングで、ワークフロー上のどの申請を行うべきか」が分かりにくくなります。

・システムレベル


業務システムとワークフローシステムが連携しておらず、業務データが自動的に連動しないケースがあります。業務システムで行った処理内容を、改めてワークフローに入力するなど、業務を分断する流れでワークフローが利用されていることも少なくありません。

・ガバナンスレベル


業務プロセスとワークフローをどのように連動させるかについて、全社的な方針が定まっていないケースがあります。その結果、各部門の都合でワークフローが設計され、業務の進め方や申請タイミングが部門ごとに異なります。内部統制や組織変更のたびに、調整負担が生じる原因にもなります。

プロセス分断を解消するための代表的な3つの選択肢

現状の分断を解消し、業務を円滑に進めるためには、大きく3つのアプローチが考えられます。それぞれのメリットとデメリットを整理します。

選択肢① 現行プロセス・ワークフローのルール再設計


現在の業務プロセスや申請フローを精査し、業務手順や申請ルールを明文化する方法です。「いつ、誰が、どの申請を行うか」をマニュアル化し、現場への周知を徹底します。

この手法は、システム改修を伴わないため追加投資を最小限に抑えられ、比較的短期間で改善に着手できる点が大きなメリットです。しかし、システムによる強制力がないため、運用の徹底は現場の意識に依存せざるを得ません。結果として、時間が経つにつれてルールが守られなくなり、形骸化するリスクがあります。

選択肢② ツール導入による業務デジタル化


RPA、iPaaS、各種業務支援ツールなどを活用し、業務処理の一部を自動化する方法です。特に混乱が発生しやすい特定の工程に絞って導入することで、局所的ながら即効性のある改善効果が期待できます。

 一方で、こうしたツールが場当たり的に乱立すると、システム同士が複雑に絡み合うスパゲッティ化を招きかねません。全体最適ではなく「部分最適」にとどまることで、将来的なシステム管理の負担や拡張性の阻害につながるおそれがあります。 

選択肢③ プロセスとワークフローを統合する共通基盤の構築


業務プロセス全体に同一の共通基盤としてのワークフローを組み込み、業務の実行と申請・承認をシステム的に一体化させるアプローチです。この方法の最大の利点は「業務を行えば、自然と申請・承認フローに進む」仕組みを実現できることです。利用部門の運用負担を大幅に軽減しながら、IT部門による統制や進捗状況の把握も容易になり、長期的な視点での全体最適が期待できます。

ただし、実現のためには初期段階での業務整理や基盤構築に一定の工数と慎重な検討が必要となります。

選択肢①や②は部分的な改善に有効ですが、課題を根本から解決し、持続的な効果を得るためには「プロセスとワークフローを一体化する」という③のアプローチが必要です。

段階的につないで生かす!プロセス連動型ワークフロー基盤

業務プロセスとワークフローの分断を全社的に一度で解消することは難しいため、まずは業務影響が比較的少ない領域から、以下の3つのステップで段階的に進めていくのが現実的です。

【STEP1】紐解く|現状を整理し、断絶ポイントを可視化する


まずは現状の業務プロセスとワークフローの全体像を整理し、どこで申請や承認が止まりやすくなっているのかを把握することが重要です。「どのタイミングで、どの申請が行われているのか」「本来行われるべき申請が省略されていないか」といった点を洗い出し、申請漏れ、二重入力、手戻りなどの発生箇所を可視化します。

たとえば、見積や発注などの業務データが基幹システムに登録されているにもかかわらず、社内の見積承認を行う際に金額や取引先情報をワークフロー側へ改めて手入力している場合、そこが改善すべき分断ポイントとなります。

【STEP2】つなぐ|業務プロセスに沿ってワークフローを連動させる


整理した業務プロセスの一連の流れに沿って、共通基盤上でワークフローを再構成します。「ステータスが完了になったら自動的に承認フローが起票される」「業務画面の中に承認ボタンを配置する」など、利用者が意識せずにフローが回る動線を設計することがポイントです。

さらに、既存の関連システムとワークフロー基盤をAPIで連携し、データの二重入力を可能な限り排除します。具体的には、申請時に金額や取引先情報が自動的に連動される構成とし、「見積作成 → 見積承認 → 受注登録 → 発注承認」という一連の流れを同一基盤上に集約します。これにより、申請忘れや入力待ちによる滞留を防ぎ、業務全体の進捗状況をリアルタイムに把握できるようになります。

【STEP3】生かす|実行データを蓄積し、継続的な改善とガバナンス強化を図る


実行データを蓄積し、継続的な改善とガバナンス強化を図るプロセス連動型のワークフロー基盤が稼働すると、申請・承認・滞留・差戻しといった実行データが蓄積されていきます。これらのデータを分析することで、業務のどこで滞留が発生しやすいのか、どの工程で差戻しが多いのかといったボトルネックを定量的に把握し、プロセス改善や内部統制の強化へとつなげていけます。

具体的には、業務プロセスを遂行(DO)することで得た業務データを蓄積・分析(CHECK)し、その結果を基に業務プロセスを見直していく(ACTION)という、PDCAサイクルの考え方で運用します。

  業務データの蓄積・分析(CHECK)
日々蓄積される業務データを自由に、素早く分析・活用し、プロセス全体の透明性を向上させ、共通理解を深めます。AIを用いた業務データ活用も効果的です。
 
業務プロセスの見直し(ACTION)
分析した業務データから作業の標準化を実施し、改善対策を立案します。蓄積された業務データを解析し、改善活動を支援します。
 


こうした一連のサイクルを段階的に進めることで、小さな成功体験を積み上げながら関係部門の理解と納得を得つつ、全社的なワークフロー基盤の高度化へと展開していけます。

 プロセス連動型ワークフロー基盤を具現化するには?

プロセスとワークフローを連動させる取り組みを現実の業務に落とし込むには、個別に設計を行うのではなく、業界で実績のある標準モデルを活用することが近道です。

エクシオ・デジタルソリューションズ(EDS)が提供する「インプリメントベースモデル」は、intra-mart Accel Platform(iAP)上に、建設業や製造業の標準的な業務プロセスのテンプレートを備えたサービスです。業界のベストプラクティスを取り入れた形で、プロセスとワークフローを自然に一体化させることができます。



こうしたプロセス連動型の運用により、業務データが自動的に蓄積され、将来的にはiAP上で生成AIを活用するための基盤機能であるIM-Copilotと連動した業務改善へと発展させることも可能です。さらに、品質改善や需要予測などの経営判断に活用可能なデータ基盤が形成されていきます。


まとめ

業務プロセスとワークフローの分断を根本的に解消するには、部分的な改善を積み重ねるだけではなく、両者を統合する「連動型ワークフロー基盤」による構造的な改革が近道です。その際、業界・業種に適合した標準テンプレートを活用することで、効率的に現場の使いやすさと全社的な統制を両立させることができます。

インプリメントベースモデルの詳細は、以下よりご確認いただけます。貴社のDX推進の第一歩として、ぜひご参照ください。

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2026/03/03 | カテゴリ:intra-mart

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