失敗しないシステム刷新の進め方と重要なポイント

昨今、企業の基幹システムが老朽化し、システム刷新を検討するケースが増加しています。しかし、「刷新したのに業務効率がほとんど変わらなかった」「多額の投資が無駄になった」といった失敗事例も多く見受けられます。この記事では、システム刷新の意義や具体的な進め方、失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。

システム刷新の意味とは?

システム刷新とは、古くなった基幹システムを新しいものに置き換えることで、業務の生産性を向上させる取り組みを指します。これは、既存システムの詳細な分析から始まり、ベンダーの選定、要件定義、システム実装といったプロセスを経て行われます。全社的なプロジェクトであるため、経営層、IT部門、業務部門が協力して進めることが肝要です。

なぜ基幹システムの刷新が必要か?

基幹システムの刷新が必要な理由は主に2つあります。

第一に、既存システムの老朽化問題を解決するためです。経済産業省の『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』においても多くの企業で基幹システムが老朽化している実情が指摘されています。
老朽化したシステムは業務効率の低下や運用コストの増大を招きます。企業が長年にわたってカスタマイズやアドオンを繰り返した結果、システムがブラックボックス化し、何から手をつければいいのかわからない状況に陥ることも少なくありません。このような問題を解決するためには、基幹システムの刷新が避けられません。

第二に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するためです。DXとは、ITによって人々の生活や企業のビジネスモデルをよりよい方向へ変化させることを意味します。DXを推進することで、業務効率化やコスト削減が可能になるだけでなく、新しいビジネスモデルを生み出し、競争優位を得ることができます。しかし、これを実現するためには、基幹システムのデータがシームレスに連携され、一つの情報として有機的に活用できる状態でなければなりません。部門ごとに最適化されているシステムでは、データの連携がうまくいかず、ビジネス機会を喪失する原因となります。基幹システムの刷新を行うことで、DXの実現に近づくことができます。

システム刷新の具体的な手順

システム刷新を進めるには、以下の6つのステップを踏むことが一般的です。

  1. 既存システムの分析


    まず、自社の既存基幹システムを詳細に分析します。ベンダーと協力しながら、システム改修履歴、保守状況、システム資産、データ量・構造などを洗い出します。また、現在発生している業務課題を特定し、それがシステムのどの部分に起因しているかを明らかにします。

  2. システム刷新の構想立案


    現状分析が完了したら、次に「自社はどうあるべきか」「どのような方向性でシステム刷新を進めるか」を明確にします。IT部門、業務部門、経営層の3者間で議論を重ね、予算や機能要求、ベンダー選定スケジュールを含む構想文書を作成します。これにより、社内で認識を統一し、検討先ベンダーに自社の期待を明確に伝えることができます。

  3. ERPベンダーの選定


    ERPベンダーの選定は、システム刷新プロジェクトの成功を左右する重要なプロセスです。同業種での導入実績、自社の機能要求への対応、予算・納期の順守、サポート体制、他システムとの連携性などを確認します。また、ベンダーとの信頼関係を築けるかどうかも重要なポイントです。

  4. 要件定義の実施


    要件定義では、機能要件と非機能要件を定めます。機能要件は「経営情報を一覧で確認できるダッシュボードが欲しい」「帳票を自動作成したい」といった具体的な要求です。一方、非機能要件は「管理画面のトップから直接データにアクセスできるようにする」「ダッシュボード画面の表示速度を3秒以内にする」といった性能や保守性に関する要件です。ベンダーと協力しながら、双方の共通認識を深めて要件を決定します。

  5. システム実装


    要件定義が終わったら、設計とプログラミングの段階に進みます。設計では、外部設計と内部設計を行い、エンドユーザーの視点と開発者の視点の両方から仕様を決定します。プログラミング段階では、設計書に基づいてコードを作成し、システムを形作っていきます。

  6. テストの実施


    システム実装と並行して、作成したプログラムや機能が正常に動作するかを逐次テストします。テスト工程は、単体テスト、結合テスト、システムテスト、運用テストに分かれます。テスト用の設計書や仕様書をしっかりと作成し、チェックポイントや判断基準を明確にすることで、テスト工程がスムーズに進みます。

システム刷新を成功させるポイント

  • 業務改革を先に行う


    業務改革(BPR: Business Process Reengineering)は、既存の業務プロセスを分析し、業務フローや組織を再構築する取り組みです。基幹システム刷新がシステムを主な改善対象としているのに対し、業務改革は業務プロセスに重点を置きます。業務改革を伴わないシステム刷新は、非効率な業務に合わせてシステムを刷新することになり、業務効率化は達成されません。まずは業務プロセスを見直し、問題を解決することが重要です。

  • 超上流工程に時間をかける


    超上流工程とは、システムの構想立案からベンダー選定、要件定義までのプロセスを指します。この工程がうまくいくかどうかは、プロジェクトの成功可否を左右します。システム刷新の構想立案では、予算や機能を明確にし、ベンダー選定では信頼関係を築けるパートナーを選びます。要件定義では、詳細な要求を定め、ベンダーと共通認識を持つことが重要です。これにより、後のステップでの計画のズレを防ぎ、プロジェクトを成功に導きます。

まとめ

システム刷新は、企業の生産性向上と競争力強化に欠かせない取り組みです。成功の鍵は、まず業務改革を行い、業務プロセスを最適化することです。その後、超上流工程に時間をかけ、構想立案からベンダー選定、要件定義を慎重に進めます。これにより、計画のズレを防ぎ、プロジェクトを円滑に進行させることができます。
また、全社的な協力が不可欠であり、経営層、IT部門、業務部門が連携して取り組むことが重要です。相互理解と協力により、システム刷新は成功し、企業の競争力向上と新たなビジネスチャンスの創出に繋がります。システム刷新を通じて、企業全体のパフォーマンスを向上させましょう。

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2025/02/19 | カテゴリ:DXコンサル

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