生成AIを「全社展開」するための要件とは?失敗を防ぐ「基盤×運用設計」完全ガイド

「生成AIの全社導入を検討しているが、なかなかプロジェクトが前に進まない」と悩まれる企業は少なくありません。構想段階では前向きでも、目的の整理やセキュリティ、データ連携などで議論が止まり、思うように前進しないという状況も珍しくありません。

こうした停滞を防ぐには、ツール単体の導入ではなく「活用基盤」と「使い続けられる運用の仕組み」をあわせて設計することが大切です。

本記事では、この「活用基盤×運用支援」の視点で、構想から定着までを着実に進めるためのポイントを整理します。

お役立ち資料:失敗しない生成AI導入社内環境構築で押さえるべきポイント

なぜ全社展開が前に進まないのか─企業がつまずく4つの壁

構想段階でプロジェクトが停滞してしまう状況には、いくつか共通した「つまずきパターン」があります。まずは、自社がどのような壁に直面しているのかを整理することが大切です。


 パターン①目的が曖昧なままの構想倒れ


「とりあえず流行っているからPoCをやってみよう」「どのツールが一番賢いか比較しよう」といった入り方をして、行き詰まってしまうケースです。肝心の「何を解決するためにAIを使うのか」という目的が定まっていないと、部門ごとに期待値が異なり、全体像が揃わず構想倒れになってしまいます。 


 パターン②セキュリティ懸念による導入停滞


外部AI利用に伴う情報漏えいリスクやガバナンス不安から、誰も最終判断ができず議論が止まってしまうパターンです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX動向2025」でも、「誤った回答を信じてしまう」「ルール整備が難しい」など、生成AI利用時の不安が多く挙げられています。


 パターン③データ分断による行き詰まり


実装に至ったとしても、社内の既存システムやデータベースとAIがつながらず、活用範囲が限定的となってしまうパターンです。データが分断したままでは、AIが出力した情報が業務プロセスに還元されず「点の活用」にとどまり、全社最適化にはつながりません。 


 パターン④現場定着の不十分さによる形骸化 


導入時は注目されても、現場での利用が続かず形骸化してしまうケースもみられます。利用者教育や業務フローへの組み込みが不十分で、導入による成果を得られません。 

「活用基盤×運用支援」による解決のアプローチ

前章で整理した4つの壁は、いずれも「ツール選定」だけでは乗り越えられない課題です。生成AI導入を前に進めるためには「全社で使える環境(活用基盤)」と「現場で使い続けられる仕組み(運用支援)」をセットで設計することが重要です。 


 活用基盤の整備 ─ 全社で使える「土台」をつくる 


部門ごとに生成AIを個別導入してしまうと、データは分散し、活用範囲も限定されたままになります。全社で生成AIを使える「土台」をつくるには、まず業務データを、どの範囲までAIに扱わせるのかを設計し、計画的に集約していくことが出発点になります。

まずは、生成AIで何を実現したいのかという目的を整理します。問い合わせ対応の効率化、営業資料の作成支援、社内ナレッジ検索など、目的が定まることで、必要なデータの種類も明確になります。

次に、そのデータを継続的に集約できるよう、共通となる業務基盤やデータの格納先を整備します。これにより、日々の業務を進める中で、データが自然と一元化・蓄積されていく構造をつくることができます。

このとき、単にデータを集めるだけでなく、「どこまでをAIに見せてよいのか」「誰がどこまで参照できるのか」といったアクセス制御や権限設計も同時に整えることが重要です。

こうしてセキュリティとガバナンスを担保した共通基盤を構築することで、初めて生成AIを安全に、業務に即した回答や支援に活用できるようになります。

こうした共通基盤の整備によって得られた成果や知見をもとに、活用範囲を徐々に広げていくことで、全社で使い続けられる生成AIの「土台」が形成されていきます 。


 運用の整備 ─ 現場が「使い続ける仕組み」をつくる 


生成AIは、どれだけ良い基盤を整えても、現場で使われなければ意味がありません。全社で使い続けられる状態を実現するには、「使う人が迷わず、自然と使い続けられる仕組み」を同時に設計することが重要です。

まず重要なのは、ユースケースの明確化です。「どの業務で、どのタイミングで、どのようにAIを使うのか」が具体的に示されていなければ、現場は使いどころが分からず、活用は定着しません。

問い合わせ対応、資料作成、社内検索など、実際の業務フローに即した形で利用シーンを整理することが出発点となります。あわせて、利用者向けのガイドや簡易マニュアルの整備も欠かせません。

操作方法だけでなく、「どのように質問すれば精度が上がるのか」「どこまでをAIに任せ、どこから人が判断するのか」といった使い分けのルールを共有することで、現場の不安や戸惑いを減らすことができます。

さらに、導入後は使われ方を継続的に把握し、改善につなげていくことも重要です。利用状況の可視化や、現場からのフィードバックをもとにした改善サイクルを回すことで、生成AIは一過性の施策ではなく、業務に根づく「実務インフラ」へと育っていきます。

こうした運用面の設計と伴走があってこそ、活用基盤は真に価値を発揮します。 


全社展開を成功させるために、企業が備えるべき実行基盤とは?

ここまで見てきたように、生成AIの全社展開には「活用基盤」と「運用支援」を両輪で設計する視点が重要です。こうした考え方を実装まで一気通貫で支援するのが、エクシオ・デジタルソリューションズ(以下、EDS)の「生成AI活用基盤提供サービス」です。生成AIの適用範囲検討からPoCの実施、導入後の運用支援、活用促進までを一貫してサポートいたします。 

生成AI活用基盤提供サービスの特徴 


企業が安心して生成AIを導入できるよう、「安全性」「汎用性」「柔軟性」という3つの観点を重視して設計されています。 

【安全性】Microsoft社とのパートナーシップのもと、Azureベースで企業に必要なセキュリティを確保。 
【汎用性】豊富な標準機能を備え、幅広い業務領域への適用が可能。 
【柔軟性】各社固有の業務フローに合わせたカスタマイズにも対応し、最適なAI環境を実現。 

これらの特徴により、生成AI活用基盤提供サービスは生成AI活用のつまずきパターンを以下のように解決します。 

表1:「生成AI活用基盤提供サービス」が解決する生成AI活用のつまずきパターン

種類生成AI活用基盤提供サービスによる解決策 
パターン①:
目的が曖昧なままの構想倒れ 

導入検討段階から支援。課題の明確化ユースケースの整理に加え、PoCの支援を通してスモールスタートで構想倒れを防ぎます。 

パターン②:
セキュリティ懸念による導入停滞 

Azure基盤を活用したセキュアな環境を構築。利用ユーザーごとにデータアクセスを制御し、機密データを安全に活用できます。 
関連記事:情報漏洩リスクを防ぐ!Azure OpenAI Serviceで始める“安全な生成AI”活用法 

パターン③:
データ分断による行き詰まり 

ユースケースも踏まえ、必要なデータを整理。データベースの構築からシステム間連携でのデータ収集も実現します。 

パターン④:
現場定着の不十分さによる形骸化 

導入だけではなく運用面でのサポートも提供。定期的な研修や活用促進に向けた活用事例の展開、利用状況のモニタリングと改善施策の検討を通じて、現場での活用を根付かせます。最終的には、お客様自身が自走できる範囲を段階的に広げていけるよう支援します。 



図1:「生成AI活用基盤提供サービス」のサポート概要 

まとめ

生成AIの全社展開を成功させるには「活用基盤」「使い続けられる運用」の両面を整えることが重要です。どちらか一方ではなく、2つを一体で設計することで、はじめて業務への定着と効果の最大化が実現します。

EDSの「生成AI活用基盤提供サービス」は、この「基盤×運用支援」を一気通貫でサポートします。構想整理からPoC、定着支援まで寄り添いながら伴走し、お客様が自走できる状態まで支援いたします。

「どこから手をつければよいか分からない」「まずは小さく始めたい」といった悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。全社展開へ向けた最初の一歩をご一緒できれば幸いです。 

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2025/12/26 | カテゴリ:AI

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