部署連携は「入口」から始まる
―たらい回しを防ぐための情報集約術と最初の一歩

カスタマーサポートやバックオフィス部門には、日々多様な問い合わせや依頼が寄せられます。

「この問い合わせはどこの部署に回すべき?」
「この依頼はどういう状態?」

社内でこうした声が上がり始めたら、部署間の連携が機能不全に陥っているサインです。多くの企業が連携の強化に取り組むものの、なかなか効果が出ない背景には「入口」の構造的な課題があります。本記事では、部署連携を改善するためにまず着手すべき受付の整備にフォーカスし、今日から始められる改善のポイントを解説します。

気づきにくい部署連携の落とし穴─改善の前に押さえたい本質ポイント

部署連携が停滞する背景には、入口が揃っていないまま情報が流れ始めることに起因する3つの構造的な問題があります。

①部署ごとにプロセスが異なり、流れが噛み合わない


進め方や承認方法、使用ツールが部署ごとに異なると、受け渡しのたびに依頼の粒度が変わります。

「情報の不足による再確認」「入力項目の基準の違いによる差し戻し」といった小さなロスが積み重なることで、大きな遅延を招きます。前提条件が揃わない環境では、業務の流れが途切れやすい点に注意が必要です。


②情報が分散し、状況把握にムダが生じる


顧客情報、申請内容、添付資料が、メールやExcelをはじめ、グループウェアや部門システムなどに散在していると「探す」「確認する」「聞きに行く」作業が日常化します。

特定の担当者しか状況を把握していない属人化した状態では、誰が最新情報を持っているか分からず、不在時に業務が止まります。情報の所在が不安定であることは、部門間の連携を鈍らせる大きな要因です。


③部署ごとにKPI・評価軸が異なり、利害が一致しない


営業はスピード、経理は正確性、管理部門はリスク管理といったように、部署間で優先順位が異なると、依頼処理の基準も不揃いになります。

入力項目を減らしたい部署と増やしたい部署が対立するように、各部門が自部署の最適化を優先する構造では、全社的な統一ルールの構築が難しく、連携の前提が整わないまま運用が続きがちです。

部署連携不足は、DX阻害要因にも


IPAの「DX動向2025」でも、日本企業は部分最適にとどまる傾向があり、全社最適に取り組む企業ほどDXの成果が出ていると指摘されています。

部署連携が弱いまま個別最適で改善を進めても、全社的な成果やDX効果には結びつきにくいのが実情です。


短期間で部署連携を改善するための4つの実践アプローチ

部署連携不足の要因のなかでも、プロセスの不一致と情報の分散は仕組みの問題であり、適切に整えれば短期間での改善が見込めます。ここでは、どの企業でも今日から取り組める4つの改善手順を紹介します。

【STEP1】業務プロセスと責任境界を可視化する


まずは現状の全体像を把握し、部署間の認識のズレを解消します。可視化が不十分なまま改善を進めると、どこを直すべきかが曖昧なままになり、施策が空回りしがちです。

具体的には、以下の観点でプロセスを棚卸しします。

● 各部署の業務フロー(As-Is)を明確化する。
● 手作業・Excel・メールなど、プロセスが分断している箇所を洗い出す。
● 属人化や滞留が発生しやすい工程を可視化する。
● 部門間の「責任境界」を文書化する。

現状の流れを共有することで、どこで連携が途切れ、どの工程を標準化すべきかを客観的に把握できます。これは改善の起点として極めて重要なステップです。

【STEP2】情報ルールを標準化し、入口を一本化する


続いて、情報の「入口」を揃えることが重要です。情報が異なる形式・経路で流れてくる状態では、前工程のばらつきが残り、どれだけ仕組みを導入しても滞留は消えません。

このステップで取り組むべき内容は以下のとおりです。

● 申請・依頼フォーマットを共通化する。
● 添付資料・必須項目のルールを統一する。
● 依頼経路(メール・口頭・チャットなど)を一本化する。
● 承認フローと更新ルールを明文化し、共有する。

入口の標準化により、前工程のムダ・手戻りが大幅に減り、次工程の作業が安定化します。

【STEP3】状況をリアルタイムに可視化し、滞留を未然に防ぐ


次に重要なのが、流れを止めない仕組みづくりです。依頼の状況が見えない環境では、滞留が再発してしまいます。

ここで取り組むべき内容は以下のとおりです。

● 依頼のステータス(受付・確認中・承認待ち・完了)を統一する。
● 横断的に進捗を確認できる一覧画面を整備する。
● 更新時に関係者へ自動通知されるルールを設定する。

これにより、「誰のボールか」または「どこで止まっているか」が一目で分かり、連携ロスを最小限に抑えられます。


【STEP4】改善効果を把握し、次の改善サイクルにつなげる


仕組みを定着させるには、定期的に振り返り、滞留ポイントを「再発させない」運用に育てることが必要です。具体的には、以下を継続して実施します。

● リードタイム・滞留数などの定量モニタリングを行う
● 往復や確認待ちの発生状況を分析する
● プロセス・ルールの見直しを行う
● 改善ポイントが明確になった段階で、横断KPIの見直しに着手する

まずは小さな成功体験を積み重ね、いきなり部署間で対立を招きかねない大型の議論を避けることが重要です。改善サイクルを回し続けることで、連携が止まらない仕組みが組織の標準運用として浸透するのを後押しします。


部署連携を本気で進めるなら─まず整えるべき「最初の基盤」とは

部署連携を改善するには「プロセスの整理」「情報ルールの標準化」「状況の可視化」を整えることが重要です。

「CSM QuickPack」は、これらの初期ステップを短期間で実現する最初の基盤となるパッケージです。受付窓口の一本化依頼内容の記録案件状況の見える化といった入口の整備に加え、業務整理を支援するテンプレートにより、プロセスの可視化から運用開始までを効率的に進められます。

さらに、集約した情報を活用し、ServiceNowを追加構築すれば、部署間の自動連携や期限管理へと段階的に発展させることも可能です。受付業務をさらに効率化したい場合は、AIが要点抽出や関連ナレッジ提示を行う「CSM QuickPack with AI」を選択することで、生産性向上が期待できます。


 

まとめ

部署連携の改善は、複雑な仕組みをいきなり作り込むのではなく、まずは入口を整え、情報を一か所に集める基盤づくりから始まります。

CSM QuickPackは、この初期ステップを短期間で実現し、将来的な自動連携や統合管理へと発展させるための拡張性も備えています。部署間の業務の滞留や認識のズレに課題を感じている企業様は、ぜひ一度、エクシオ・デジタルソリューションズへご相談ください。

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2026/01/31| カテゴリ:ServiceNow

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