
テレワークやハイブリッドワークが定着した現在でも、契約業務だけは依然として紙で行っている企業は少なくありません。押印や製本、郵送対応のためだけに出社することは、担当者にとって大きな負担となります。こうしたアナログな契約業務は、いまやテレワークを阻む主要なボトルネックといえます。
テレワークの障害となる契約業務のボトルネックを解消するためには、単に電子契約システムを導入するだけではなく、契約の申請から承認、保管までのプロセス全体を見直す必要があります。今回は、契約業務をまるごとデジタル化するための方法を紹介します。
電子契約システムを導入しても、期待したほど業務が効率化されないケースがあります。それは、電子契約の締結作業という「点」だけに注目し、契約業務全体の「プロセス」を見ていないためです。電子契約の導入を成功させるためには、以下の観点からプロセス全体を構造的に整理しておく必要があります。
契約業務は「申請」「稟議・承認」「締結」「保管」という長いプロセスで構成されます。そのなかで、単に紙への押印を電子化することだけを目的にすると、前後の工程に存在する非効率さがそのまま残ってしまいます。
「締結」はプロセス全体のほんの一部にすぎないことを認識し、業務の全工程を電子化する意識を持つことが重要です。
契約業務の各プロセスが分断されないよう注意が必要です。例えば、締結前の「稟議・承認」を行うシステムと、「締結」を行うシステムが分かれていると、承認時に使用した情報が引き継がれず、締結のために再入力しなければなりません。
申請から保管までを同じ基盤上でつなぐことを前提に検討すれば、手作業や二重入力を減らし、より効率的な契約プロセスを実現できます。
契約書のデジタルデータが、部門や案件ごとにファイルサーバやメール、担当者のPCなど、異なる場所で管理されているケースは少なくありません。
しかし、保管場所が分散した状態では、電子化の効果は半減してしまいます。締結手段にかかわらず、最終的にはすべての契約書が一か所に集まる設計を意識することが大切です。
このように、電子契約導入の成否は「ツール選び」ではなく「業務をどこまで一連の流れとして設計できるか」によって決まります。
電子契約を業務として機能させるためには、契約業務全体を一連のプロセスとして捉えることが重要です。ここでは、その考え方を実務に落とし込むための再設計ステップを整理します。
「起案者」「承認者」「法務担当」「取引先」など、契約業務に携わるすべての関係者の動きを書き出します。各担当者がどの順序で、どのような作業を行っているかを図示します。
ここで重要なのは、システム上の処理だけでなく、印刷や製本、スキャン、メール添付、郵送手配といった隠れたアナログ作業をすべて洗い出すことです。これらを可視化することで、テレワークの障壁となる作業やボトルネックが明確になります。
可視化したフローのなかから、データが分断されている箇所、つまり人の手作業が発生している箇所を明らかにします。これらの分断を解消するために、契約業務全体の進捗やステータスを管理する共通の業務基盤を中心に据えた構造へと再設計していきましょう。
個別のシステムで発生したデータは、API連携などを通じて共通基盤に集約・反映させます。例えば「社内決裁が完了したら、共通基盤上のステータスを起点に、自動で相手先へ署名依頼メールが送付される」「相手が署名したら、結果が共通基盤に反映され、社内のステータスが自動で『締結済』に更新される」といったフローにします。
人によるデータの転記やファイルの再アップロードをなくすことで、契約締結までのリードタイムを大幅に短縮可能です。
電子契約は相手方の同意が必要なため、全案件を一気に切り替えるのは現実的ではありません。まずは調整コストが低く、件数が多い契約類型から始めるスモールスタートが成功への近道です。
また、相手方の事情により、紙での締結が避けられない例外ケースの運用もあらかじめ設計しておきましょう。紙で締結した場合でも、最終的にスキャンデータを同一基盤上に登録する運用ルールを徹底します。
これにより、契約形態が紙か電子かに関わらず、契約台帳や文書管理の保管場所が常に一か所に統合された状態を維持できます。
契約業務全体を1つの基盤で完結させるために有効なのが、業務プロセスのデジタル化を支えるServiceNowと、電子契約システムであるCloudSign(クラウドサイン)の連携です。
ServiceNowは、企業内のあらゆる業務プロセスを統合し、申請から承認、管理までをデジタルで完結させる「プラットフォームとしての高い拡張性」を誇ります。一方、CloudSignは国内シェアNo.1の導入実績に裏打ちされた、相手方にとっての「受け入れやすさ」が強みです。
これらを組み合わせることで、ServiceNow上で行った申請・承認の結果をCloudSignへ連携し、電子契約の締結までをスムーズに完了できます。さらに、締結後の契約書はBoxなどのファイル共有サービスへ自動で格納可能なため、契約に関する一連のプロセスを一つの基盤で実施できるようになります。
エクシオ・デジタルソリューションズ(EDS)では、ServiceNowとCloudSignをつなぐ独自のインテグレーションを開発しており、複数案件での導入実績があります。両製品をすでに利用している場合は連携部分のみの構築を、いずれか一方のみの場合は導入検討から連携設計までを一体で支援します。企業の状況に合わせて、業務プロセスの整理・再設定からサポートすることが可能です。
脱ハンコを本質的に進めるためには、電子契約システムの導入だけでなく、申請・社内承認・締結・保管までを一連の業務プロセスとして設計することが重要です。契約業務全体を同じ基盤上でつなぎ、データの分断や手作業を排除することで、テレワークにも適した契約プロセスを実現できます。
ServiceNowとCloudSignを組み合わせた具体的な業務イメージについては、YouTube動画やCloudSignの連携紹介ページでも詳しく解説しています。本記事の内容とあわせて、ぜひチェックしてください。
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2026/04/03 | カテゴリ:ServiceNow
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