拠点間通信におけるダークファイバの本当の価値とは?~冗長性と信頼性の観点から解説

企業において、重要な拠点間を繋ぐネットワークは業務の根幹を支える重要なインフラです。
DX推進やクラウド活用が進む中で、拠点間の通信には大容量・高セキュリティ・低遅延といった要件が、これまで以上に強く求められるようになっています。
こうした要求に応える通信回線として注目されているのが、ダークファイバです。
ダークファイバは回線性能の高さだけが注目されがちですが、実は見落としてはならない重要なポイントが存在します。
本記事では、ダークファイバ利用において重要となる「冗長性」と「信頼性」を高めるための視点について解説します。

ダークファイバとは何か? 一般的な専用線との決定的な違い

  1. ダークファイバとは?


    ダークファイバは、光ケーブル内に存在する通信回線としては未使用な光心線を指し“光が通っていない(暗い)心線”ということから、「Dark Fiber」(ダークファイバ)と呼ばれます。また一般的には通信事業者や電力会社、鉄道会社などが保有する未使用の光ファイバ心線を借り受け、利用者が専有し、専用線として利用する回線形態を意味する呼び方でもあります。

    ご参考記事:ダークファイバとは?企業ネットワークを支える“光ファイバの未利用区間”の正体

  2. ダークファイバの特長は?他の回線とは何が違う?


    一般的に多くの企業で利用されている法人向けインターネット回線や広域イーサネットの多くは、通信回線としての光ファイバ心線や関連する通信設備を複数の契約者で共有しています。

    これに対し、ダークファイバによる光専用線は「専用」の名の通り、光心線を独占して利用できる点が大きな違いです。その結果、以下のような特長が得られます。

    ・占有性: 他のトラフィックに影響されない低遅延・高安定性
    ・拡張性: 光心線に接続する伝送装置次第で、通信速度を柔軟に設定可能
    ・物理的隔離: VPNなどの論理的な隔離ではなく、物理的に分離された高水準のセキュリティ

    これらの特徴は、通信品質が直接業務に影響する基幹業務システムやデータセンター間連携など、特に重要な拠点間を確実に接続する必要があるネットワークにおいて、その価値が発揮されます。そのため、拠点間接続においてダークファイバは有力な選択肢の一つと言えるでしょう。

    ご参考記事:選択肢はVPNだけじゃない─2拠点間のネットワーク接続の最適解「ダークファイバ」

        拠点間通信に求められる「冗長性」と「確実性」

        拠点間通信におけるダークファイバの回線としての優位性について簡単に説明してきましたが、これに関しては既にご存じの方も多いでしょう。では、ここから、別の視点で重要ポイントを見ていきましょう。

        企業にとって重要な役割を担う拠点間通信では、単に高速な回線を用意するだけでは不十分です。
        加えて重要なのが、回線障害や災害発生時にも通信を継続できる冗長性と、平常時から安定した品質を維持できる信頼性です。

        回線障害の原因は、通信機器などの故障だけでなく、道路工事や自然災害などによる光ケーブルの物理的損傷によって発生することも少なくありません。そのため、論理的な冗長化だけでなく、物理ルートを分離した回線構成が重要になります。
        これは、ダークファイバを利用する場合でも同様です。

                拠点間通信でのダークファイバ利用でおさえておきたいポイント

                拠点間通信にダークファイバを専用線として利用する際、設計や調達の前提によっては見過ごされがちなリスクが存在します。それが、特定の事業者が保有するダークファイバしか選択できないケースです。

                この場合には以下のような課題が顕在化しやすくなります。

                1. 物理ルートの単一化によるリスク


                  専用線であっても、同一事業者・同一経路に依存している場合、道路工事などによる光ケーブルの損傷や通信設備障害、また自然災害の影響を同時に受ける可能性があります。論理的な冗長化を行っていても、物理的に同一のルートであれば根本的な対策にはなりません。

                2. バックアップ回線の実効性不足


                  バックアップ用に別回線を用意していても、結果的に同じ系統の光ケーブルを利用しているケースでは、障害時に切り替えても通信が回復しないという事態が起こり得ます。

                3. 設計の自由度が制限されるリスク


                  利用できるダークファイバが限定されていると、拠点の立地や将来的な拡張を考慮した最適な回線設計が難しくなります。

                4. 復旧対応の硬直化


                  回線系統が限定されている場合、障害発生時の代替手段が少なくなり、復旧までに時間を要する可能性があります。

                      このように、ダークファイバが優れた専用線であっても、「どのダークファイバを、どのように利用できるか」によって、拠点間通信の信頼性には大きな差が生じます。その解決策として重要なのが、複数事業者のダークファイバを活用する視点です。

                      なぜ複数事業者のダークファイバ利用が必要なのか

                      ダークファイバは、通信事業者系だけでなく。電力系、鉄道系など、異なるインフラに基づくダークファイバが存在します。
                      こうした複数事業者のダークファイバを利用するのであれば、以下のようなネットワーク設計が可能になります。

                      1. メイン回線とバックアップ回線の物理分離


                        異なる事業者のダークファイバを利用することで、メイン回線とバックアップ回線を物理的に完全に分離した冗長構成を実現できます。これにより、特定ルートで障害が発生しても、影響を最小限に抑えることが可能です。

                      2. エリアや拠点条件に応じた柔軟な選定


                        拠点の立地や既設インフラによって、利用しやすいダークファイバは異なります。複数の選択肢があれば、コストや施工性、将来の拡張性を考慮した最適なダークファイバを選定できます。

                      3. 将来を見据えた拡張・再設計への対応


                        事業拡大やシステム刷新に伴い、回線構成の見直しが必要になることもあります。複数のダークファイバを利用できれば、既存回線に縛られない柔軟な再設計が可能です。

                            このように、複数事業者のダークファイバを利用することで、ダークファイバが持つ回線としての優れた特長を活かし、信頼性の高いネットワークを構築できるようになります。

                            回線調達だけでは終らない、施工・保守まで含めた対応

                            ダークファイバは、単に「契約すれば繋がる」という回線ではありません。ダークファイバを自社の光専用線として機能させるためには、光ケーブルの引き込み工事や建物内の配線、通信装置の設置や設定などが必要で、これらには高度な施工技術が求められます。

                            また、運用開始後の障害対応や保守体制も、通信品質を左右する重要な要素です。施工、保守まで一貫して対応できなければ、障害発生時の切り分けや復旧が滞る恐れがあります。

                            1. 物理レイヤーのエンジニアリング能力


                              ダークファイバは、最終的に自社拠点内のMDF(主配線盤)などに引き込む必要があります。
                              これにより「ビル内の配管に空きがあるか?」「どのルートを通せば損傷などのリスクを避けられるか?」といった、ケーブル引き込みや、敷設ルート選定のための現場調査や設計の対応。その後も光ケーブル敷設や心線接続、場合によっては配管設置工事など、施工対応が必須となります。

                              これらへの対応については施工品質はもちろん安全管理の面でも通信インフラの施工実績の豊富さや高い技術力が不可欠です。

                            2. 障害発生時の切り分けと復旧


                              万が一、通信が途絶した際、その原因が自社所有の設備なのか、借りている心線(ダークファイバ)の断線なのか、あるいは中継地点のトラブルなのかなどの「切り分け」を行う必要があります。

                              物理的なケーブルの修復から論理的なネットワーク診断まで一貫して行える体制が求められます。

                                  このように、ダークファイバ利用では、回線調達と同様に施工・保守への対応も見落とせない重要なポイントとなるのです。

                                  ダークファイバの調達や施工・保守対応が難しい場合には

                                  「多様なダークファイバの活用」や「施工・保守まで含めた対応」、これらすべてを自社で対応するのは、多くの企業にとって現実的ではありません。

                                  その場合は、必要な条件を満たすサービスを提供する事業者をパートナーとしてみてはいかがでしょうか。

                                  〈事業者選定のポイント〉
                                  ・複数事業者のダークファイバを扱える
                                  ・光回線の開通工事に実績がある
                                  ・光通信設備の施工技術が高い
                                  ・保守体制が整っている

                                  こうした条件を満たす事業者がダークファイバを借り上げ、専用線としてサービスを提供する方式であれば、利用者側は負担を抱えることもありません。

                                  こうしたサービスの例としてエクシオグループ株式会社のダークファイバ光専用サービスがあります。

                                  〈エクシオグループのサービス〉
                                  ・複数事業者のダークファイバにより異なったルート選択が可能
                                  ・NTTをはじめ、多くの通信事業者の国内トップレベルの光回線開通工事や光通信設備の構築実績
                                  ・技能五輪国際大会での多くのメダル獲得など、国際的に高い評価を受けた技術で、品質の高い施工
                                  ・365日24時間体制で受付、監視対応が可能

                                  ダークファイバ導入に必要なサポートがトータルで対応でき、こうしたサービスを利用することで窓口が一元化できることも大きなメリットと言えます。

                                          導入事例:ダークファイバが解決した拠点間通信の課題

                                          では、実際にエクシオグループの『ダークファイバ光専用サービス』を利用した企業の導入事例を見てみましょう。

                                          1. 拠点間通信回線の高速化と可用性をダークファイバの専用線で解決


                                            ある企業における、拠点間通信の課題をダークファイバのハイブリッド利用で解決した事例です。

                                            【背景】
                                            複数拠点に分散していた業務環境を統合する取り組みが進む中で、拠点間ネットワークにはより高い通信性能と安定性が求められるようになった。こうした状況を受け、コストを抑えながらも高速かつ信頼性の高い通信基盤を実現できる回線サービスの検討が進められていた。

                                            【実施内容】
                                            ・基幹回線には、通信事業者のダークファイバを活用したダークファイバの専用線サービスを採用
                                            ・バックアップ回線は、鉄道系ダークファイバや他通信事業者の回線を組み合わせ、キャリアおよび経路を分離した冗長構成を構築
                                            ・単一キャリアでは対応できない区間については、複数の通信事業者のサービスを組み合わせることで、最適な通信ルートを確保

                                            【導入効果】
                                            ・災害発生時や突発的な障害発生時においても影響を受けにくい、耐障害性の高いネットワーク環境を実現
                                            ・回線契約を一本化することで、全体の契約・運用コストの削減に寄与
                                            ・障害対応や計画メンテナンス、機器更新時の問い合わせ窓口が集約され、システム管理者の運用負荷を軽減

                                                        まとめ

                                                        本記事では重要な拠点間を繋ぐ専用線として有力な選択肢であるダークファイバの利用について、単に回線の性能という側面だけでなく、ネットワーク構築にあたり冗長性と確実性を高めるうえで、「どれだけ多様なダークファイバを活用できるか」
                                                        「施工・保守まで含めた対応ができるか」という視点が重要であることを解説しました。

                                                        一般的に多くの企業ではダークファイバの調達からすべて自社で対応するのは現実的ではありません。
                                                        ダークファイバを検討する際には、こうした視点を回線サービス事業者選定の軸として考えてみてはいかがでしょうか。

                                                        エクシオグループでは『ダークファイバ光専用線サービス』を提供しています。キャリア工事会社による高品質な専用線をご検討の方は、ぜひご相談ください。

                                                        関連するページ:ダークファイバ光専用サービス

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                                                        2026/03/06 | カテゴリ:ネットワーク/サーバ

                                                        ネットワーク/サーバに関するソリューション情報はこちら

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